ご挨拶

分子解剖学講座 教授 高山千利

ご挨拶
分子解剖学講座のホームページへようこそ!
 琉球大学医学部解剖学第二分野は2010年4月から大学院化に伴い大学院医学研究科分子解剖学講座と名称が変わりました。現在大学院生を含めて総勢12名が研究室に在籍しています。 
 当講座は、医学部の教育では、組織学、神経解剖学、発生学を担当しています。これまで、3年掛けて組織学実習室設備の更新とe-learningの導入、2つの教育環境の整備を進めました。その結果、学生の自学自習が十分にできるレベルに達したと考えております。大学院医学研究科の教育では、修士課程の人体構造実習、神経解剖学特論、博士課程の組織化学特論を開講しています。希望者には、基礎的な形態学的解析法の実習を行い、さらに、WebClassを介して、基本的な形態学的解析法を公開しています。
 研究面では、GABA伝達に関する形態学的解析を中心に進めております。GABAシグナルの発生変化に加えて、GABA伝達の再生機構と可塑性保持への関与、様々な病態におけるGABAシグナルの変化の解析を行い、神経系にひろがるGABAの世界を解明したいと考えております。
 教育環境の整備
1.e-learningの導入  自学自主が可能になりました。
 琉球大学の総合情報処理センターが導入しているe-learningプログラムWebClassを研究室のホームページとリンクさせ、活用しています。WebClassは、履修登録した学生が各自のIDとpasswordによって閲覧するシステムになっており、閲覧履歴も追跡できるので、セキュリティーが確保されています。このシステム内で、講義・実習の配付資料、スライドファイル、練習問題、定期試験問題とその解答、過去10年間の解剖学に関連する医師国家試験の問題を公開し、予習、復習、学習達成度の自己チェックに活用してもらっています。加えて、試験結果の開示、個人的な質問、要望の受付も行っています。

2.組織実習室の整備 組織学実習のインフラ整備を行いました。
1)実習顕微鏡の更新
 組織学実習室に配備されている120台の実習顕微鏡を全て更新しました。さらに、実習時間外に気軽に実習の補完ができるように、人体解剖学・分子解剖学共通の資料室に自習用の顕微鏡を設置しました。
2)プロジェクター、スクリーン、モニターなどの更新
 情報技術(IT)の時代に対応すべく、講義用のデスクトップパソコン、それに対応したプロジェクター、高画質テレビモニター(6台)、スクリーンを設置または更新し、効率よい講義・実習が行えるようにました。さらに、無線LANの設置を行い、将来的にはノートパソコンをテーブルにおいての実習を可能にする予定です。


3.組織標本の更新
 実習標本の劣化(破損・褪色など)が著しく、学生実習に支障を来す状態でした。形態学の学習に「心眼」は明らかに不適切です。そこで、死体解剖保存法を遵守しながら、「琉球大学でいご会」との協力で、肉眼解剖実習に供される献体を用いて、組織標本の補完を行っています

4.自宅での模擬実習
e-learningの一つとして、本年度後半より、組織切片の画像ファイル(バーチャルスライド)のネット配信を開始する予定です。現在、そのシステムの構築を進めています。WebClass内の説明文章とバーチャルスライドファイルをリンクさせるので、ネット環境に有る場所なら、自宅でも、合宿先でも、顕微鏡実習と同等の学習が可能になります。CBT、医師国家試験いずれも、画像の理解度をチェックする問題が多く、学生の成績向上につながると期待しています